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ビジネスの主導権を握るために継続的デリバリーが必要な7つの理由

みなさんこんにちは。@ryuzeeです。

Kelly Waters氏の7 Reasons why Continuous Delivery needs to be a BUSINESS initiativeより継続的デリバリーが必要な7つの理由について抜粋・意訳にてご紹介します。

アジャイルやリーンなチームにおける鍵となるプラクティスの1つに継続的デリバリーの考えがある。 たとえ継続的ではなくても、すくなくともとても頻繁にだ! ThoughtWorksでは継続的デリバリーに関する専用のWebサイトを提供しており、継続的デリバリーが本当に意味するところは何なのか、なぜそれが重要なのか、どうやればいいのかなどについて原理原則に基づいて話しているとても興味深いWebinarなどもある。 継続的デリバリーは技術的プラクティスではあるが、その利点は技術チームやプロジェクト全体だけにとどまらない。 継続的デリバリーをうまく導入したことによる利点は、組織における競争力という観点での戦略的な効果を得られる点にある。 以下ではビジネスの主導権を握るために継続的デリバリーが必要な7つの理由について書くことにしよう。

1. 正しい製品を作る

継続的デリバリーはチームが継続的な(頻繁ではないかもしれないが)フィードバックをビジネスの同僚やユーザーの代弁者や理想的には本当のエンドユーザーから得ることを可能にする。 頻繁なフィードバックループは、フィードバックをビルドに組み込み、製品の妥当性や品質や成功に影響を与えることができるということを意味する。 もし継続的デリバリーが内部の組織を超えて市場に投入されると、本当の指標や洞察を実際の利用状況から得ることができる。 これによって製品においてあまり重要ではない箇所にたいしてムダな時間をかけることを減らすことができる。

2. 早期から利益を享受できる

ソフトウェアをインクリメンタルに作り継続的デリバリーのアプローチを採用することによるはっきりとした利点は、なにかしらの利益を(たとえ小さくても)より早期から得ることが可能になるということだ。 早期にリリースすることは収入を産んだりコストメリットがあることを意味し、それは将来の開発の助けにもなるだろう。 もしくは単純に競争相手より先んじることになるかもしれない。過去の経験によれば、最初に市場に投入したということは大きな商業的な力になる。 すなわちたとえ市場に投入した製品が基本的な機能しかもっていないとしても、自分たちが選んだ領域において最初にそれを行うことで長期間マーケットリーダーであることができるということだ。

3. 速やかに対応して変化に対応できるようになる

人生において唯一確かなことは、変化が起こるということだ。 これは避けられない。 そして以前よりも速いスピードで変化が起こるようになっている。 特にこの観点からは2つのことが課題となるだろう。 1つは企業がついていけないほどに技術の変化が速くなっていること。 もう1つは我々が現在おかれている世界的な経済状況の不確実さだ。これらが意味することは以前よりもこの先を予測することは難しくなっているということだ。 もしあなたがなにかにとても長い時間をかけたとすれば、デリバリーのタイミングで何か重要なことが変化してしまっているということに高い確率で遭遇するだろう。 たぶんマーケットも変化してしまっている。顧客のニーズも変化してしまっている。 たぶんあなたの組織も変化してしまっている。 たぶん新しい機会がうまれてしまっている。 継続的デリバリーは、優先順位が変わったことによって捨てなければならない仕掛り作業や途中だからといって最後までやりつづける作業に長い時間や高いお金をつぎ込むことなく、これらの変化に対応することを可能にする。

4. イノベーション

継続的デリバリーと頻繁な利用者からのフィードバックを組み合わせることで、以前よりも開発者と顧客や利用者との距離が縮まることになるだろうし、本当に利用者が必要としていたことは何なのかという点についての理解を深め、本当は必要なのにそれに気づいていないことについても明らかにできるようになるだろう。 例えば、顧客はもともとはAppleに対してApp Storeを利用可能なiPhoneを求めたわけではなく、iPadのようなタブレット型のコンピュータを求めたわけでもない。 利用者は自分たちが知っていることが今できることに対して満足している。 しかし開発者はまったくの新しいものを作ることができるだろう。このことは潜在的には本当のイノベーションを起こす方法に成り得るだろう。

5. 信頼性と安定性

継続的デリバリーのリスクについて心配する人がいるかもしれない。 あまり頻繁ではないリリースをしているより古典的な手法を使っていた頃の経験では、変更はリスキーでしばしば大きな問題につながる。 継続的デリバリーを導入した場合には、カオスで問題だらけで、様々な種類の品質や信頼性の問題は出ないのだろうか?実際のところそれは皮肉で、逆は真だ。

継続的デリバリーはより信頼性が高くて安定したものを届けることを、頻繁にリリースすることによって可能にする。 とても小さい単位での変更を行うことは実質的には起こりうるリスクを低減しているのだ。 そして変更を小さく保ち続けることが実質的には問題が発生した場合の発見や修正をより簡単にしてくれ、影響を受ける時間を短くしてくれる。 これらの結果として継続的デリバリーを行っているチームは製品を以前よりより信頼でき安定したものに保つことができるのだ。

6. より効率的になる / 時間短縮

継続的デリバリーを達成するためには、チームはデプロイメントのタスクを自動化する必要がある。 多くの場合チームはそれを行っていないし、それゆえリリースセットを作成し、環境を作り、理解不足によって引き起こされた問題をみつけて解決するという一大事は潜在的に負の努力になってしまっている。 デプロイメントは理想的にはプロジェクト中継続的に繰り返し行われるタスクであるため、そのプロセスを自動化することはとても価値のあることだ。 自動化されたデプロイメントプロセスは多くの効率化につながり、時間を短縮できる。それによって利用者にとってより価値のある機能を開発し、より多くのビジネス価値を届けるのに時間をさくことができるようになる。

7. 戦略的影響

私が思うに、上に述べたことのまとめなんだが、最後に大事なことは戦略的影響だ。 頻繁な利用者からのフィードバックをもとにした、早期からリリースすることでより多くの利益を出した、顧客にフォーカスした良い製品は、製品投入の時間を早め、ビジネスアジリティを加速し、イノベーションを起こし、信頼性をあげ、より効率的になる。 これをほしがらないビジネスがあるだろうか?それこそが継続的デリバリーを高めていくべき理由である。 我々はIT部門の役員だけではなくすべての経営にとってビジネス上の最重要課題になるべく継続的デリバリーを高めていかなければならない。 ビジネスに競争力を持たせる第一歩だ。

それでは。