ブログ

ryuzeeによるブログ記事。不定期更新
アジャイル開発に取り組むチーム向けのコーチングや、技術顧問、認定スクラムマスター研修などの各種トレーニングを提供しています。ぜひお気軽にご相談ください(初回相談無料)

【資料公開】プロダクトオーナーアンチパターン

みなさんこんにちは。@ryuzeeです。

技術顧問先からの依頼でプロダクトオーナーのアンチパターンについて話をしたので、そのときの資料を公開します。


今回紹介するのは以下の6つのアンチパターンです。アンチパターンに陥っている可能性を示す兆候もあわせて示しています。

  • 顧客やユーザーの軽視
    • 兆候
      • 社内のミーティングでスケジュールが埋まっている
      • 機能の必要性の根拠はユーザーからのフィードバックではなく仮説(というか妄想)にもとづいているものが多い
      • ユーザーがプロダクトを触っているところを見たことがほとんどない
  • 不十分なステークホルダーマネジメント
    • 兆候
      • ステークホルダーをスプリントレビューに招待していない
      • ステークホルダーと個別にコミュニケーションしていない
      • ステークホルダーに何か言われるとすぐに対応している
      • 「◯◯さんの指示なのでやらないといけない」のような口癖
  • 不在がちなプロダクトオーナー
    • 兆候
      • イベントの時間帯が頻繁に変更される
      • イベントの欠席が多い
      • メールやチャットへの返信が遅い
  • プロダクトバックログのリファイン不足
    • 兆候
      • スプリントプランニングでスプリントゴールのアイデアが曖昧
      • スプリントプランニングに時間がかかる
      • スプリント中に開発者からプロダクトオーナーに多数の質問が出る
      • 完成を確認したときに認識の相違がよくある
  • プロダクトオーナーが開発者に発注する
    • 兆候
      • プロダクトオーナーが多くのプロダクトバックログアイテムの詳細を用意している
      • 実現したい価値よりも、機能の詳細や仕様の議論に時間を割いている
      • スプリントプランニングやスプリントレビューがプロダクトオーナーの発言ばかり
  • プロダクトよりプロジェクト
    • 兆候
      • 「このままだと間に合わない」といった言葉がよく登場する
      • 当初のスコープや機能の必達を目指している
      • スクラムチームの学習や技術的負債への対応時間を取らない
      • ゴールや価値に関する会話が少ない
      • ベロシティの目標を設定している

誤解のないように言っておくと、アンチパターンがこれしかないというわけではないですし、ここに挙げたものだけを避ければいいというものでもありません。 この6つは、経験上よく見かけるパターンとしての紹介です。 そもそもアンチパターンは網羅できるような性質のものではないので、根底にある価値観や原則を理解し、それをもとに自分たちの行動を検査して適応していくことが成功のために必要です。

資料が何かのヒントになれば幸いです。

内容に関するご意見やフィードバックは、Twitter: @ryuzee までお知らせください。

それでは。