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スクラムマスターを雇う時に聞いてみるとよい38個の質問
採用の話がだいすきなみなさんこんにちは。@ryuzeeです。
アジャイル開発をはじめた当初はだいたいパイロットチームを作って、そこでうまくいくと組織内に横展開していくパターンが多いと思いますが、そのときに困るのがスクラムマスターです。 スクラムマスターは特に成熟度の低いチームにおいてその存在が欠かせませんが、いきなりスクラムの経験のない人にやってもらうのも大変なので外部から採用して解決しようとすることがあります。 このとき単に認定スクラムマスター研修に参加して認定資格持ってるから大丈夫か、というと全くそういうわけでもなくスクラムの本質を理解していていることが重要です。じゃあそれをどう確認するのか?という点について以下のサイトで採用のときに聞いてみると良い質問が38個紹介されていたので、ご紹介します。
Hiring: 38 Scrum Master Interview Questions To Avoid Imposters
当たり前ですが、以下の質問に対する答えが妥当なものかどうか面接官が判断しないといけないので、最初のプロトタイプチームのスクラムマスターやチームのメンバーが面接に参加したり、場合によっては外部のコンサルタントにも見てもらうといったことが必要になるかもしれません。採用は、「候補者が必要なスキルを持っているかどうかを一定以上の妥当性をもって判断できる」人が面接すべきです。
以下適当参考訳です。
スクラムマスターの役割について
- アジャイルマニフェストでは「プロセスやツールよりも個人と対話を」といっている。プロセスを守らせるスクラムマスターは、それとは反対のことをしているのではないか?
- 自分の組織でアジャイルがうまくいっていることを示す兆候は何か?また自分の働きが成功している兆候は何か?
- 追跡しないといけないメトリクスはあるか?もしそうだとしたら何の目的でどのメトリクスを追跡するか?
- あなたのチームのパフォーマンスは常にコミットメントを達成できておらずベロシティも安定していない。考えられる理由はなにか?そして問題をどのように指摘するか?
- 製品のディスカバリープロセスにスクラムチームは参加してよいか?その場合はどのようにするか?
- 設計上プロダクトオーナーの役割はボトルネックになる。価値が最大になるよう、どのようにプロダクトオーナーをサポートするか?
- どのようにスクラムチームがしかるべきステークホルダーにアクセスできることを保証するか?
- どのように複数の異なる部門にまたがってアジャイルのマインドセットを広げるか?ITじゃないステークホルダーをコーチするのにどんな戦略をとるか?
- 上級管理職にどのようにスクラムを紹介するか
- あなたはすでにステークホルダーにスクラムのトレーニングをしたとする。この考え方を適用しようとする初期フェーズのあと、スクラムの適用を続けることに同僚が激しく抵抗するような障害やハードルにぶつかったとする。このような状況においてどんな戦略を取るか?またどんな経験があるか?
プロダクトバックログのリファインメントと見積りについて
- プロダクトオーナーはステークホルダーの要求をプロダクトバックログアイテムに落とし込んでその見積りをチームに求めることになる。その流れでよいか?
- チームに最新情報やマーケット状況を伝えるためにプロダクトオーナーにどんな情報を要求するか?
- 誰がユーザーストーリーを書くとよいか?
- よいユーザーストーリーとはどんなものか?どんな構造か?
- 「Readyの定義」には何が含まれているべきか?
- ユーザーストーリーを時間で見積もらないのはなぜか?
- プロダクトオーナーはあとになってから取り組むようないろんな種類のアイデアを追加してくる。結果的にいろんなタイミングで取り組む200個のチケットができたとする。それに対してどのように取り組むか?スクラムチームは200個のチケットに取り組めるか?
スプリントプランニングについて
- チームがもっとも価値のあるストーリーに取り組めるようにするためにどのようにスプリントプランニングにスクラムマスターとして貢献するか?
- ユーザーストーリーの価値をどんなメトリクスに基いて判断するか?どんなメトリクスは受け入れがたいものか?
- チームのコミットメントの権限を侵犯することなくどのようにもっとも価値のあるユーザーストーリーを選べるようにファシリテーションするか?
- どれくらいの時間をリファクタリングや重要なバグの修正や新しい技術やアイデアの調査につかうのが適切と考えるか?
- チームの個人にストーリーやタスクを割り当てようとするプロダクトオーナーをどう扱うか?
- チームメンバーによるタスクのつまみ食いをどのように扱うか?
- ユーザーストーリーが最終的に確定していないがスプリントの2日目には確定する状況で、プロダクトオーナーはそれをスプリントバッグログに入れようとしている。どのように行動するか?
- スクラムチームのメンバーがスプリントプランニングに参加したがらないだけでなく、時間の無駄だと考えている。このような態度をどう扱うか?
スタンドアップやデイリースクラムについて
- チームのサイズや経験度合いに関わらず全部のチームにスタンドアップを薦めるか?
- なにか困っていることの助けが必要なとき次のスタンドアップまで待つことを期待するか?
- スタンドアップをリードして単なるメンバーに対する報告セッションにしてしまうような人をどのように扱うか?
- スタンドアップが無駄だと思っていて遅刻して来たり協力的でなかったりもしくは出席すらしないような人をどのように扱うか?
- スクラムチームのスタンドアップにステークホルダーは誰も参加していない。この状況をどのように変えるか?
- 分散チーム間のスタンドアップをどのように進めるか?
- スクラムチーム用の物理カンバンボードをいま書いてください
ふりかえりについて
- だれがふりかえりに参加してよいか?チームだけか?プロダクトオーナーも参加してよいか?
- チームが健全な状態かをふりかえりの中で確認するか?それとも不要か?もし必要だとするとどうやって確認するか?
- 過去に使ったふりかえりのフォーマットはどんなものか?
- どうやってマンネリを防いでいるか?
- チームはいつも妥当なアクションアイテムを選んではいるものの、実際に行動できていない。この悪しき習慣をどう扱うか?
- どうやってアクションアイテムのフォローアップを薦めるか?
それでは。
SCRUM BOOT CAMP THE BOOK【増補改訂版】 スクラムチームではじめるアジャイル開発
- 著者/訳者:西村 直人、 永瀬 美穂、 吉羽 龍太郎
- 出版社:翔泳社
- 発売日:2020-05-20
- 単行本(ソフトカバー):288ページ
- ISBN-13:9784798163680
- ASIN:4798163686