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デイリースクラムを学ぶワークショップ(地獄のデイリースクラム)
このワークショップは、Scrum from Hell(地獄のスクラム)というもので、2004年10月にデンバーのScrum GatheringでWilliam C. Wake氏によって行われたものです。 チームでデイリースクラムについて学ぶために役に立つはずです。
概要
ゴール
うまく機能しないデイリースクラムについて学ぶ
時間
15-20分
人数など
この演習は立っている6人〜8人のグループで行い、オブザーバーは座って見ている。
目的の詳細
- デイリースクラムについて説明をし3つの質問とミーティングの流れについて理解してもらう
- 以下に示すようなよくある問題や介入について説明する
- 暗黙の障害:全部を聞く。時には、障害事項について言及されることがあるが、それが障害事項として認識されないことがある。
- 横での会話:自分が話していないときは他の人の話をきくように言う
- だらだら話す:もっと素早くまとめて話すように言う
- 脇道にそれた会議:必要であればミーティングの後に速やかに議題に関連する人を集めて会議を行うかどうか尋ねる
- しゃべるオブザーバー(鶏):彼らはオブザーバーであるということを再認識させる
- 遅刻:それがチームとしての行動だった場合には1ドルの罰を課して、ミーティングの後に全員に適用する。
- その他
準備
それぞれに秘密のゴールが書かれたカードのセットを用意する。 以下のような20枚のカードを用意する
3つの質問に答える
さらに、以下が書かれたカードをそれぞれ1枚、合計10枚用意する
- スクラムマスターに対してしゃべる、もしくはスクラムマスターの方を向いてしゃべる(直接質問を受けたとき以外はスクラムマスター以外無視する)
- 遅刻する
- 障害事項を隠す:障害事項について口にはするが、それについては明らかにはしない
- うるさい鶏:「私はオブザーバーなんだけど」といいながら、チームが気にしていないことについて喋り出す
- 沈黙の鶏:オブザーバーとして、ただ「パス」「単に見ているだけ」といって、自分の番になっても何もしない。
- 他人の番のときに細かい質問をする
- 次の人にいくように言われるまでだらだら喋り続ける
- 会議を脇道にそらすようにする
- 誰かの問題を解決するように試みる
- 細かい議論を始める
カードをシャッフルする。
やり方
グループを輪になって立たせて、誰か一人をスクラムマスター役にする。 グループに以下の3つを伝える。
- Eコマースのサイトを開発している開発チームのメンバーであることを想像して、何の仕事にとりかかっているか、3つの質問にどのように答えるかについて決めること。
- メンバーそれぞれに秘密のゴールを与える(カードの中身を見ずに配る)。このカードは自分以外に見せてはいけない。このシーンの間、このゴールを2番目のアジェンダとして持つことになる。
- もしスクラムマスターがあなたのふるまいについて指摘した場合は、ふるまいを貫き通さないこと。
グループはスタンドアップミーティングを行い、終わったらまとめを行う。
まとめ
「どんなふるまいが見られたか?」
この質問は参加者とオブザーバーの双方に対して行う。
「あなたにとってこのスタンドアップミーティングはどうだったか?」
スクラムマスターと参加者に聞く。
「スクラムマスターに対してどんな気づきがあったか?」
参加者とオブザーバーに聞く
「この演習はスクラムマスターの役割について何といっているか?」
この質問は全員向けだ
「今後どのようにするか?」
この質問も全員向けだ
バリエーション
- シンプルと機能不全のカードの割合を変えても良い(ただエクササイズを難しくする前に、まずは試してみること)
- スクラムマスターとして振る舞う人を変えながら何度か繰り返すのも良いだろう。
- 大きいグループでフィッシュボールのスタイルで多くの観客を入れて行うのもアリだ。