指示待ちしてしまうメンバーをどう扱うか
みなさんこんにちは。@ryuzeeです。
アジャイルな開発現場で聞かれる質問について答えていきましょう。
質問:自分のタスクが終わったら、周りを気にせず帰ってしまう人がいて困っています。
質問:メンバーが指示がないと作業が進められないと言って、待ちになってしまい、生産性があがりません。
回答
自分のタスクが終われば帰ってしまう人は、どんな価値を実現しているのだろうか?
顧客の価値を実現するために行動していないのではないでしょうか? こうなってしまうひとつの理由として、その担当者からお客様が見えていな い、ビジネスの価値が分かっていない、という点があげられると思います。 したがって、とにかくお客様のところに連れて行き、お客様が何を考えているか理解させるようにすべきです。 エンジニアはモノを作るのが仕事なんじゃなくて、価値を実現するのが仕事なのです。
そもそも自分のタスクとは何だ?という疑問もあります。 スクラムであれば、タスクは自分でサインアップすることになるので、チームがコミットしたゴールに向けて、残っているタスクを自分でサインアップしてこなしていかなければいけません。 スクラムマスターがタスクの割り当てをしてしまうから、自分のタスクが終わったら帰ってしまうメンバーが出てきたりするのではないでしょうか?
なお、付き合い残業しろ、とかいうつもりはありません。そんなのはムダです。
あくまで、チームとしてコミットしたものがあるのにも関わらず、そのチームのコミットに対して責任を持たない人をスコープにした話です。
チーム内のコミュニケーションを活性化させる
帰ってしまう人がいるチームは、往々にしてチームのコミュニケーションがうまくいっていないことが多いようです。 個人としてではなく、チームとして成果を出すんだ!という前提のもとに全員の問題をいつでも気軽に話せるようにしなければいけません。 話をしにくい雰囲気ができると、隠ぺい、先延ばしが発生してリスクになっていきます。
勤務評価の軸を「顧客からの満足度・信頼度」やチームメンバーからの「信頼度」においてみるのはどうか?
評価を行える人にならないと無理な方法ですが、オープンな評価軸は組織の透明性を強化し、組織力の向上につながります。
待ちになってしまう人への対処は、ペアプログラミングやペアレビューによる地道な教育も効果的
待ちになってしまう人は、技術力がない、とかチームのやり方が分からない、等といった理由で待ちをしてしまうことも多いものです。 技術を身につけ、チームのやり方に慣れるためには、その人をひとりにせず、ペアで活動すると良いでしょう。 そうすれば徐々に慣れてくるはずです。 日本のほとんどの企業はOJTでは数年上の先輩1人にくっつく形ですが、アジャイルなOJTではチーム全体で人を育成することになります。 チーム全体がメンバーの能力を向上させる責任を負っている、と考えるべきなのです。
何をやってもダメなら
残念ながらそういう人がいるかもしれません。 チームにずっとそういう人がいるとチームの士気が低下して周りにも影響を及ぼすようになります。 上長と相談してメンバーを入れ替える、といった対応が必要になる場合もあります。