アジャイル開発に取り組むチーム向けのコーチングや、技術顧問、認定スクラムマスター研修などの各種トレーニングを提供しています。ぜひお気軽にご相談ください(初回相談無料)
Q. ベロシティの目標値を設定する是非について教えてください
止めましょう。
ベロシティの目標値を設定したところで、チームの能力が劇的に上がるわけでもなく、ベロシティは上がりません。 ベロシティはスクラムチーム自身のスキル獲得、作業ドメインへの習熟、プロセスの改善などによって緩やかに向上するものです。
ベロシティの目標値を設定したくなるのは、予算や納期が厳しい状況であることが多いと思われます。 しかし、この場合スクラムチームはさまざまな改善に時間を使うのではなく作業をすることに時間を使いがちです。 結果として、ベロシティの目標値を設定してもずっとその数値に届かない状況が続いたり、スクラムチームが疲弊し続けたりします。
もちろん、厳しい予算やリリース希望日があるプロダクトで、一定の範囲を終わらせるには最低でも1スプリントあたりのベロシティが30ポイント必要だ、というような計算をすることがないわけではありません。 ただし、それを達成できるかどうかはやってみないと分かりません。もちろん約束もできません。 数スプリントやってみて、実際のベロシティの平均が10ポイントだということがわかれば、その時点で別の対処をしなければいけません。
それでも目標ベロシティの達成を要求するとどうなるでしょうか? 答えは簡単で、見積りのときに大きく見積もるだけです。 ベロシティを2倍にするいちばん簡単な方法は、すべての見積りを2倍にすることです。 もちろん無意味です。
カテゴリ
スクラム スクラムチーム プロダクトオーナー スクラムマスター 開発者 プロダクトバックログ プロダクトバックログアイテム プロダクトバックログリファインメント スプリントバックログ インクリメント スプリント スプリントプランニング デイリースクラム スプリントレビュー スプリントレトロスペクティブ プロダクトゴール スプリントゴール 完成の定義 プロダクトマネジメント プロダクトマネージャー 見積り アジャイル
SCRUM BOOT CAMP THE BOOK【増補改訂版】 スクラムチームではじめるアジャイル開発
- 著者/訳者:西村 直人、 永瀬 美穂、 吉羽 龍太郎
- 出版社:翔泳社
- 発売日:2020-05-20
- 単行本(ソフトカバー):288ページ
- ISBN-13:9784798163680
- ASIN:4798163686