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ryuzeeによるブログ記事。不定期更新

物理カンバンを作るときに用意しておきたい道具10選

みなさんこんにちは。@ryuzeeです。 今日は物理カンバンを作るときに役立つ道具を10種類紹介します。なお、実際のカンバンの例については、拙訳:アジャイルコーチの道具箱 – 見える化の実例集も参照してみてください。

1. 付箋紙 (3Mの強粘着を強く推奨)

当然のことながら物理カンバンを作るときに一番よく使うのが付箋紙です。 剥がれてなくなってしまってはまずいので強粘着を使うようにしてください。おすすめは当然のことながら3Mのものです。 なお、余談ですが、3Mの付箋紙だけを「ポスト・イット」と呼びます。 サイズは自分のボードに合わせれば良いのですが、よく使われるのは、75ミリの正方形です。

なお、パックで買うと色々な色が含まれていますが、勿体無いからといって全色を闇雲に使わないようにします。 一般的には通常のタスクを黄色に、緊急をピンクに、といった形で色別に用途を定義しておいてください。でないと遠くから見た時に何が起こっているのか判断が付きません。


2. サインペン

当たり前すぎて何を言ってるんだ?という感じがするかもしれません。しかし付箋に文字を書くときに、自分が持っているボールペン等で書いてしまっているのをよくみかけます。普通のボールペンで書いてしまうと遠くから見にくいという問題があるので、適切な太さのサインペンを用意しておきましょう。なおカンバンを見やすくするには、丁寧に書かなければいけないのは言うまでもありません(僕は字が下手なので綺麗に書けと言われると困ってしまうので、現場でアドバイスするときは丁寧に書くように言いましょう)

3. マグネット用紙

金属製のホワイトボードにくっつけられるマグネットもおすすめの道具。 例えば、見える化事例集の中で「人別のアバター」を作る例を紹介していますが、プリンターを使ってそれぞれのメンバーの顔写真をこのマグネットに印刷すればすぐにでき上がります。 その他に自分が見た例としては、カンバンのレーンを頻繁に見直すチームでは、区切り線用に細いマグネットを用意しておいて、それを使ってレーンを表現している例もありました。テープでレーンを作るよりも手間なく作れますのでおすすめの利用方法です。

4. カラーラベル(ドットシール) 9mm

いわゆる普通のドットシール。5mmだと小さすぎ、15mmだと大きすぎるので、9mmぐらいが付箋紙と組み合わせて使うには使いやすい。 使いみちとしては、カンバンのDoingに滞留している日数をドットシールで示す、とか、差し戻しがあったタスクに印をつけておくとか、なんらかの投票をする時に使うとかとか便利です。 赤と青の2種類くらいあるといいと思います。これは付箋紙ほど品質に違いがないので、100円ショップで買ってもよいと思います。

5. 貼れるホワイトボード

カンバンをいろいろなチームが使うようになると、ホワイトボードの取り合いになりますし、いろんな場所にホワイドボードを作りたくなります。 そしてこれを壁に貼り付ければすぐホワイドボードができあがります。 模造紙だとどうしても気軽に書いたり消したりできなくて、形骸化しやすかったりしますが、これを使えばその心配はありません。 ワークショップをやったりするときにも役にたちます。 1点課題としては、静電気で壁にくっつけるので特に湿気の多い時期などは剥がれたりするのと、意外と綺麗に貼るのが難しい点です。前者については割りきってテープや画鋲で貼り付けてしまうのが良いでしょう。 またこれ自体にはマグネットはくっつかないので注意が必要です。

6. マスキングテープ

先ほどカンバンのレーンを区切るのにマグネットが使えると書きましたが、ある程度レーンが固まってくればテープを使ってレーンを作るのが良いと思います。 100円均一で売っている細い(5mmくらい?)テープは粘着度がひくすぎるのと貼るのが意外に難しいので、粘着力の強いものを使うと良いでしょう。

7. 粘着ゴム

3Mの強粘着の付箋紙を使っていても、何度かくっつけたり剥がしたりしているうちに粘着力がおちてふとした拍子に剥がれ落ちてしまったりするかもしれません(書きなおしてもいいんですが)。またその他のモノをカンバンに貼りたいことがあるかもしれません。そういうときに使えるのが粘着ゴムです。ちょっとちぎって剥がれそうな付箋紙の裏に貼ればもう落ちることはありません。なお、磁石がくっつくタイプのボードを使っている場合は小型のマグネットをたくさん用意しておくことで代替できます。

8. キッチンタイマー

別に料理をするわけではないのですが、カンバンを使いはじめると、全員ボードの前でデイリースタンドアップをやったり、ボードの前で計画作りをしたりする機会が徐々に増えていきます(逆にせっかくボードを作っているのにほとんど見に来る人がいない、ボードの前にいる時間が著しく短いといった場合はボードが機能していません)。デイリースタンドアップ・計画作りなどのイベントの際は、タイムボックスを設定して長くなり過ぎないように制御する必要がありますが、その際にキッチンタイマーはすごく役立ちます。いちいちスマホのタイマー機能を使うよりよほど早いです

9. 定規(1m)

カンバンにレーンの線を引いたりテープを貼ったりするときに、よく使います。 手書きだと頑張ってもなかなか綺麗にならないのですが、定規を使えば解決です。1000円くらいなものなので持ってて損はないです。 なお、間違ってもデイリースタンドアップに遅刻して来た人のお仕置きの道具などに使ってはいけません。

10. 道具入れ

小学生みたいな話なのですが、カンバンのそばには常にここまで説明したような備品を道具箱に入れて使えるようにしておくことを強く勧めます。例えばカンバンを見てたら急にタスクを思い出したときに、すぐ新たなタスクを付箋に書いたりしたくなります。その時に自席に戻って付箋とペンを探して...などとしていたら時間が無駄です。また常に同じ場所に整理整頓しておいておけば、備品が不足しそうになったときに簡単に調達をかけることもできます。わざわざ買わなくてもクッキーとか海苔の空き缶なんかで大丈夫です

それではよいカンバンライフを!!

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